delhi09の勉強日記

技術トピック専用のブログです。自分用のメモ書きの投稿が多いです。あくまで「勉強日記」なので記事の内容は鵜呑みにしないでください。

初めて将棋の指導対局を受けてきた

初めて指導対局を受けてきた

以下のイベントに参加させて頂き、初めてプロ棋士指導対局を受けてきました。

会場は三軒茶屋将棋倶楽部で、指導してくださったのは宮田利男先生です。 (今、竜王戦に挑戦されている伊藤匠七段の師匠です)

connpass.com

対局開始まで

会場に着くと、中央を囲むように机が並べられており、その上に参加者分の将棋盤が置かれていました。(約15人)

指導を受ける側が玉を取るのがマナーということは事前に聞いていたのですが、先生の側のみ既に王将を取った状態で駒が配置されており、その心配はありませんでした。

早めに着いたので、指導を受ける側の駒並べをお手伝いさせて頂きました。

駒落ちについて

初の指導対局ということで、何枚落とすか(あるいは平手で教わるか)はいつどうやって決めるのか分かっていませんでした。

私の棋力的には駒落ちで教わるのが妥当なのはわかっていましたが、平手でしか指したことがなく、銀多伝などの駒落ち定跡を全く知らないため、下手に慣れない手合いにするより平手で教わったほうが勉強になるのでは?という気もして揺れ動いていました。

「いつどうやって決めるのか」に関しては、指導対局開始のタイミンングで先生が最初に一巡して、一人一人希望の手合いを聞いて回っていました。 駒落ち希望の人にはその場で駒を落としていました。

私は最初に聞かれたので「どうしよう」と逡巡していたら、流れで平手で教わることになってしまいました。

対局の振り返り

最終盤はこのようになり、終盤の入り口でしたが、懇親会の会場を予約しているとのことで指し掛けになってしまいました。

終盤も教わりたかったので残念でしたが、ここまでを振り返りたいと思います。

駒組み

私は自信を持って指せる戦法が三間飛車しかないので、三間飛車にしました。 先生は4六銀左急戦でした。

先手が4五歩まで指した局面です。

基本的な形ですが、左銀の使い方と美濃囲いの上の歩をどの歩をどの順番で突くのがいいのか自信がなく指していました。(微妙な形の違いによって、別の仕掛けを誘発してしまったり同じ急戦定跡でも違う変化になったりする)

後から定跡書を確認したところ、変な手は指していなかったようですが、この辺はもっと自信をもって指せなければならない(=勉強不足)と感じました。

加えて、通常の四間飛車の定跡と比べて三間飛車かつ先後逆ということで、手得があるのでそれをどの手に使うのかという問題があります。

久保先生の『さばく!振り飛車教室』では4五歩をお勧めしていた記憶だったので、4五歩を指してみました。

ただ、4六に桂香を打たれるスペースができるので、自分の棋力で指しこなせるのかというのはあります。9八香とかの方が無難なのかもしれません。

仕掛け

先手が7八歩と指した局面です。

この定跡は左銀を飛車で狙われた時に逃げずに6五歩と突いて、角成りは桂ではなく飛車で取るということだけは覚えていたのですが、その先の変化は覚えていなかったので、まずはそこが反省点です。

藤井猛先生の『四間飛車を指しこなす本1』によると、ここでは部分的には7八歩は弱気であまりいい手ではなく、6七金と上がる方が良いそうです。

6七金は少し迷ったのですが、金が囲いから離れて負けを早めそうだなと思い、指せませんでした。

ただ、8六歩の突き捨てが入っているのが一番有名な変化とは違います。

突き捨てが入っているため、6七金にもやはり8六飛と回られてしまいます。

二枚飛車で攻められることを考えると、金は上がらない方がよいので、この局面では結果的に7八歩の方がマシだった可能性もありそうです。

どう指せばよかったか

同じく藤井猛先生の『四間飛車の急所 2 急戦大全【上】』によると、8六歩の突き捨てを入れてきた場合は、この局面に至る前の以下の局面で7四歩と垂らすのが部分的な手筋のようです。

ただ、これは自分では発見できない手なので、この機会に覚えようと思います。

中盤

先手が5九角と打った局面です。

次に4九飛成からの2枚替えを喰らっては終わりだと思い、それを防いだだけの手です。 この時、まだ周りに誰も終局した人がいなかったので、平手で教わっている手前、一番早く投了するのだけは避けたいという気持ちでした(汗)。

この局面では5二銀が入ったようです。

以下、一直線に取り合う変化は、最後に8五角という、王手で取られそうな金に紐をつける手があります。

ソフトで調べたところ、この局面では即詰みもあるようでしたが、それは私の棋力では読みきれないとしても、金に紐がついているので、3八金打で受かっていそうです。 (4六の角は取られるが、龍が急所から外れるかつ先手から厳しい手がたくさんある)

この変化が先手優勢になるため、恐らく銀を取り返されるのですが、5九に打つ駒が角から金になるだけでも全然違います。

この辺、2枚替えでダメと読みを打ち切ってしまうあたり、まだ読みが浅いんだなと反省しました。

感想

  • 1手1手時間が使える
    • 参加者が多かったので、1巡するまで考える時間がけっこうある。
  • 対面で教わるということで、ネット将棋と違って緊張感がある(=不利な局面でも投げやりに攻め合う手を心理的に指せない)
    • → 不利な局面で粘る手を指すというということを学べる
  • 貴重な機会なので、指して終わりではなく、このようにちゃんと振り返りをしようという気になる

というあたりが、指導対局をして頂けるメリットだなと思いました。(終局後にプロの先生に総括的なアドバイスを頂けるとさらに良いのでしょうが、今回はその時間はありませんでした)

宮田先生および企画してくださった方々に感謝を申し上げたいです。

盤面の画像について

Shogipicというクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのサービスを使わせて頂きました。 shogipic.jp